絵本とむかしばなし

小学校で絵本の読み聞かせや昔話のストーリーテリングをしています。楽しいお話、心温まるお話をいろいろご紹介していこうと思います。

『ゆうびんやのくまさん』

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クリスマス・イブのくまさん

 『せきたんやのくまさん』のくまさんが、今度は郵便屋さんになってクリスマスのプレゼントを配ります。

 

ゆうびんやのくまさん

フィービ・ウォージントン/セルビ・ウォージントン 福音館書店 1987年05月
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by ヨメレバ

 読み聞かせ目安  低学年  5分

 

あらすじ

 

郵便屋のくまさんは、一人暮らし。

毎朝とても早く起くきて、仕事に向かいます。

 

今日はクリスマス・イブ。

 

手紙や小包を取りに駅へ行き、手押し車で郵便局へ運びます。

 

がらがら ごとん、がらがら ごとん!

 

郵便局では、郵便物に消印を押します。

 

ばん ばん ばん! ばん ばん ばん!

 

お人形が入った小包が、ほどけかかっていました。

くまさんは、きれいに包みなおしてあげました。

 

次は、配達です。

 

 

どの家でも、くまさんが来ると大喜び!

 

さっきのお人形の包みも届けました。

 

そのお家では、奥さんから、クリスマス・パイとジンジャーエールをご馳走になりました。

 

配達が終わったら、街のポストを回り、手紙を集め郵便局へ帰ります。

 

お家へ帰ると、とても疲れていたので、お風呂に入り、暖炉の前で晩ごはん。

 

2階に上がって、ベッドのところに靴下をつるし、ぐっすり眠りました。

 

くまさんのところには、何の小包がきたのかな?

 

 

【特集】2019 絵本ナビのクリスマス

 

 

読んでみて…

 

以前ご紹介した、『せきたんやのくまさん』(福音館書店 1979.11)のくまさんが、今回は郵便屋さんになってお仕事です。

 

masapn.hatenablog.com

 

くまさんは、郵便屋さんになっても、やっぱり堅実で実直。

毎朝早く起きてお仕事です。冬の朝は寒く、まだ暗いけど、朝ご飯を食べて仕事へ向かいます。

 

雪のそぼ降る中、郵便物を手押し車に載せて運びます。

駅から、郵便局へ。郵便局から、みんなの家へ。ポストから郵便局へ。

 

くまさんの仕事は、とても丁寧。折り目正しく仕事をします。

ほどけかかった小包は、きれいに包みなおしてあげます。

 

そんなくまさんは、みんなの人気者!

 

郵便局の奥さんは、暖かくておいしい飲み物を持ってきてくれるし、配達先では、おやつもよばれてしまいます。

街の子どもたちも、くまさんが来ると大喜び。

 

真面目で丁寧で実直なくまさんの仕事ぶりが、街中のみんなに認められ、愛されているのがよくわかります。

 

『せきたんやのくまさん』でもそうでしたが、この『ゆうびんやのくまさん』でも、1ページ、1ページ、テクストと絵がきっちり対応しています。

 

くまさんは、バッジの付いた帽子と、手紙を入れる袋を持っていると言えば、絵できちんとそれが示され、朝、まだ暗いうちから起き出すと言えば、雪が降って寒そうな、まだ明けやらぬ早朝の様子が描き出されています。

 

お仕事の場面も、駅での集荷、郵便局での仕分け、街での集配。

それぞれみんな、きっちり描かれて、子どもたちに郵便屋さんの仕事がどういうものであるか、具体的にはっきりとわかるように、堅実に描かれています。

 

生活や労働には、リズムがあること。それを毎日、きっちり段取り良く、丁寧にこなすことの大切さが伝わってきます。

単調ではあっても、その積み重ねが、充実した日々を作っていくことを教えてくれます。

 

『せきたんやのくまさん』で描かれた、あたりまえの暮らしの尊さが、ここでもまた描き出されています。

 

『せきたんやのくまさん』とちょっと違うところと言えば、くまさんが街中のみんなから、けっこうな人気者になっているところでしょうか。

 

お茶をいただいたり、お菓子をいただいたり、窓から子どもたちが嬉しそうにくまさんが来るのを見ていたり・・・。

 

実直なくまさんの日頃の堅実な働きぶりが、高く評価され、愛され受け入れられている証拠ですね。ここでもまた、確かな暮らしが良い循環を生みだすことが示されているようです。

 

絵の方も、相変わらず柔らかく優しいタッチで、可愛らしいぬいぐるみのくまさんが描かれています。ぬいぐるみが実直に働くという、ユーモアも健在です!

 

くまさんの周りの様子も、場面ごとに詳しく描き込まれ、クリスマスという設定から、情景もクリスマスの彩り豊かで、可愛く楽しいものになっています。

 

大きなクリスマスツリーのあるくまさんのお家は、暖炉もともり、クマさんへのプレゼントもいっぱい届いていて、とても暖かそうです。

 

くまさんの寝室には、

 

「サンタさんへ どうぞ おのみください」

 

と書いたカードを添えて、ミルクとお菓子が用意されています。

細かいところにも、子どもたちの興味をそそるクリスマスの演出が、いっぱい描き込まれていて楽しい絵本になっています。

 

すっかり人気者になったくまさん。プレゼントには何をもらったのかな?

 

 

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今回ご紹介した絵本は『ゆうびんやのくまさん』

フィービ・ウォージントン セルビ・ウォージントン 作・絵  間崎ルリ子訳

1987.5  福音館書店  でした。

 

 

 クリスマスのプレゼントに絵本とグッズを!

【特集】2019 絵本ナビのクリスマス

 

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