絵本とむかしばなし

小学校で絵本の読み聞かせや昔話のストーリーテリングをしています。楽しいお話、心温まるお話をいろいろご紹介していこうと思います。

『ゆかいなかえる』

茶目っ気たっぷりの楽しいかえるの絵本

自由で気さく、気のおけないほがらかな楽しさに満ちた絵本です。

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読み聞かせ目安  低学年  3分

あらすじ

卵からかえったおたまじゃくし。

あとあしが生え、まえあしが生え、しっぽが消えて・・・緑のかえるになりました!

 

泳ぎっこ競争に、かたつむりの隠しっこ。

サギに見つかり、慌てて逃げてかくれんぼ。

カメに見つかり、逃げた先は、甲羅の上!

まんまとカメをだましたら、お腹がすいてご飯です。

 

夜になると、動物たちといっしょに夏の歌を歌います。

冬になると、土の中で、花咲く春まで眠ります。

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ゆかいな かえる

ジュリエット・ケペシュ/いしいももこ 株式会社 福音館書店 1964年07月17日頃
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読んでみて・・・

 文字通り、「ゆかいなかえる」のお話です。

 

水中に、いっぱい産み付けられた、ゼリーのようなかえるの卵の群れ。

その多くは魚に食べられてしまいます。

でも・・・、生き残った4つの卵は、黒いところが次第に大きくなって、しっぽが付いておたまじゃくしに!

後足、前足が生え、しっぽが消えて、とっても元気な4匹のかえるに‼

 

この4匹のかえるが、とってもチャーミングなんです。

表情豊かに、自由奔放に、水辺で元気に遊びます。

何の屈託もなく、生き生きと遊びに熱中する、子どもそのものといった感じです。

この絵本を読む子どもたちも、きっとかえると一緒になって、泳ぎの競争やかくれんぼ、美味しいご飯をたべたり、歌ったりする気分を、堪能することと思います。

 

やんちゃなかえるたちにとっては、自分たちを狙うサギやカメから逃げるのでさえ、おもしろい遊びです。

サギやカメをまんまとだまし、してやったりの表情は、茶目っ気たっぷり!

子どもたちも、蓮の葉の陰に隠れているかえる、自分たちを追っているはずの、カメの甲羅に乗っかっているかえるたちを見ては、

 

「そこだよ、そこ!」

「え~!わかんないの~?」

 

自分たちにはわかっているという、読者特有の快感!?を味わったりする喜びも感じられたり。

 

読者の子どもたちも、かえると一緒になって、かえるたちの遊びに加わり、のびのび自由に、心を解放して遊ぶことのできる絵本なのです。

 

絵は、水色と黒、濃いめの緑に白が少しだけの、一見とっても地味な絵本です。

版も小さめなので、見逃してしまいがちな絵本だと思います。

でも、限られた色数の絵は、とてもスッキリしていて、やんちゃなかえるの表情が、とてもよくわかります。

小さいながら、画面をいっぱいに使った絵の構図も、大胆でモダンです。

 

かえるたちが、蓮の葉に隠れているところなんて、葉っぱからかえるの足が生えているようで、とてもユーモラス!

見た目の面白さと、サギをだましている面白さ、それを知っているという面白さ。子どもたちにとっては、いろんなおかしみが、いっぺんに味わえるとても楽しいページになっています。

 

かえるの生態事態も、卵から徐々におたまじゃくしになり、おたまじゃくしが徐々にかえるになっていくのが、順を追って小さい子どもたちにも、とてもわかりやすく正確に描かれています。

卵からかえるになれるのが、ほんのわずかでしかないことも、自然とわかります。

 

石井桃子の訳文も、無駄がなくすっきりしとして美しいのに、ほがらかな暖かみや優しさに満ちていて素敵です。

ごくシンプルな絵本なのに、絵の構図、色遣い、テクストの配置などが、それぞれ相まって躍動感を与え、ゆかいなかえるの楽しい気分が、絵本全体から伝わってくるようになっています。

 

シンプルで単純。ごく簡単な絵本のように見えますが、絵とテクストの美しさ、朗らかに楽しませる力、子どもたちを引き込む力のある、隠れた実力者という感じの絵本です。

うっかり見逃されそうな絵本ですが、ぜひ探して手に取ってもらいたい、おすすめのかわいい1冊です。

 

今回ご紹介した絵本は『ゆかいなかえる』

ジュリエット・ケペシュ文・絵 石井桃子

1964.7.15  福音館書店  でした。

ゆかいな かえる

ジュリエット・ケペシュ/いしいももこ 株式会社 福音館書店 1964年07月17日頃
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