絵本とむかしばなし

小学校で絵本の読み聞かせや昔話のストーリーテリングをしています。楽しいお話、心温まるお話をいろいろご紹介していこうと思います。

『オーラのたび』

ノルウェーのお話

 北欧の国への興味がそそられる絵本です。 

オーラのたび (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

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(2020/1/10 13:53時点)

 読み聞かせ目安  高学年  15分

 

あらすじ

 

ノルウェーの森の小さな家に、オーラという男の子が住んでいました。

 

ある朝、オーラは目を覚ますと、外へ出かけたくなって、スキーを履いて外へ出ました。

 

オーラがうさぎを追って滑っていると・・・崖から真っ逆さまに落ちてしまいました!

 

落ちたところには、ちょうど女の子たちがいて、これから結婚式を見にいくのだといいます。オーラも付いていきました。

 

農園の母屋では、銀の冠を被った花嫁と銀のボタンのついた服を着た花婿を囲んで、結婚式を挙げる前の食事をしていました。

 

食事が終わると、みんなはソリに乗って教会へ向かいます。オーラも付いていきました。

 

ところが、もうじき教会へ着くというころ・・・、真っ黒いドラゴンが洞穴から出て来て、みんな吹き飛ばされ、雪にうずまってしまいました!!

 

みんなは牧師さんたちから助けられましたが、オーラは気づかれず・・・。

でも、行商人のペールさんに助けられ、オーラはペールさんと一緒に北のラップ人の居住地へ向かうことになりました。

 

ペールさんと一緒にラップ人の地へ。それから北海の漁村でタラの漁をしたり、漁師さんたちから海の伝説を聞いたりして過ごします。

 

やがて春になり、オーラは家へ帰ろうと、舟を漕いでいきますが、途中で猫をたくさん積んだ舟に出会います。

「とりの島」で、鳥が卵をかえす間、猫を島から連れ出しておくのだそうです。

 

「とりの島」では、女の子と海鳥の毛綿を集め、白夜の中遊んでいると・・・南へ向かう一艘の船がやってきました。

船には、干タラを商いにいくペールさんが乗っていました!

 

オーラは毛綿とタラと肝油をお土産に、ペールさんと一緒に我が家へ向かいました。

 

 

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読んでみて…

 

北極圏に近いノルウェーのお話です。

 

表紙には、主人公の男の子オーラが、北欧紋様の服を着て、にっこりこちらを向いて微笑んでいます。

 

オーラの背後には、これまた北欧紋様を施した壁が、オーロラのような輝きをもって配され、表紙見開きには、タラや貝殻、山羊、馬、漁師に、冠を被った花嫁、北欧の民俗色濃い生活道具などが、所狭しと描かれています。

 

ページをめくっていくと、北欧紋様にぐるりと囲まれ、図案化されたノルウェーの地図。スウェーデンとの国境や、フィヨルド、白夜や海流などの地理的説明も入れながら、オーラがこれから辿っていく場所を示しています。

 

そしていよいよ、お話の始まりのページでは、オーロラが神秘的にたなびく星月夜!

 

遠い見知らぬ国への興味が、ぐんぐんつのり、物語へといざなわれていきます。

 

雪と氷に包まれた山と森の国。

木々は重い雪を背負って物言わぬ生き物となり、トロールやノームの住む世界。

 

このお話は、そんな不思議な魅力に富む国に住む男の子、オーラの旅のお話です。

 

 オーラの旅は、雪深い冬に始まり、旅の途中で春を迎え、なんと白夜の夏まで続きます!

距離もノルウェーを半周もするほど!!

 うさぎを追いかけて出かけていった男の子の旅としては、とんでもない大旅行です。

ちょっと現実にはありえない旅ですが、この絵本を読むと、ノルウェーの国、北欧の自然や暮らしの魅力が存分に伝わってきます。

 

表紙から裏表紙まで、随所にわたって描き込まれた北欧紋様。

朝目覚めたオーラのベッドは、まるでバイキングの船のようです。

 

見物にいった結婚式では、まるでメリーゴーランドのように樺の木を囲んで食糧庫や母屋が並ぶ農園で、大きな銀の冠を被った花嫁と、銀ボタンのたくさんついた美しい衣装を着た花婿を囲み、にぎやかな宴が開かれています。

赤や青、緑の鮮やかな家具や壁紙に彩られた室内。

動物やお城の形をしたチーズやバターを食べる人々。

 

めずらしい光景に目を奪われます。

 めずらしい光景は、それから始まるオーラの旅の随所でも紹介されていきます。

 

教会に向かう一同を、雪の中に放り出した真っ黒なものは、オーラは子どもの想像力から「ドラゴン」といっていますが、本当はラッセル車で、始めの地図にもしっかり描き込まれているもの。

 

ラップ人の居住地は最北端で、冬は太陽が昇らない地。

トナカイと移動しながら生活する人々がいます。

 

オーラは、 漁師さんたちから、タラに山羊のようなひげが生えるいわれや、海に大渦ができるいわれを語った不思議な伝説を聞いたり、海鳥の島では、たくさんある海鳥の巣から少しずつ、衣服や布団に入れる羽毛を集めるなど、北欧の国ならではの、自然に密着した生活を経験して、私たちに見せてくれます。

 

そして極めつけは、なんともめずらしい、美しく光る真夜中の太陽!!

何週間も太陽が沈まない夜。白夜です!!

 

沈まぬ太陽に照らされ、海や丘は金色に輝いています。

冬は太陽が昇らない中で暮らす子どもたちは、明るい夜を心から楽しんで遊んでいます。

 

ノルウェーの各地を旅し、オーラは家路につきますが、この絵本を読んでいる私たちも、オーラと一緒に、見知らぬ北欧の地を旅したような気持になります。

 

「読書は心の旅」なんてよくいわれますが、本当にオーラと旅をしたよう。

 

北欧の地は、遠くてなかなかいけませんが、なかなか触れることのない異文化を、このような絵本を通して体験するのもいいものだなと思いました。

 

 

絵は、モノクロとカラーのページが交互に出てくる構成になっています。

カラーのページはどこも、たとえ雪であっても、まるで暖炉の灯を通してみたような暖かみがあり、モノクロのページは、コンテで描いてあるのでしょうか、粉っぽさが炭のようで、やはり暖かみと落ち着きがあります。

 

 オーラをはじめ、この絵本に描かれた子どもたちも、バラ色の頬がやわらかく、どの子もとても暖かみがあって、無邪気でかわいらしい様子に描かれていて心なごみます。

 

 

冬は極寒の厳しい自然の中で、自然と一体となって暮らす人々。

日本に住む私たちとは、まったく違った暮らしがそこにはありますが、そういったものを絵本を通して楽しみながら経験する。そんな異文化体験をさせてくれる絵本です。

 

 個人的には、タラにひげがある話や大渦の伝説などに興味が惹かれます。それぞれで一冊の絵本になりそうなほど。それぞれ1ページで収めてあるのがもったいないくらい。

随所に、興味惹かれるものがちりばめられ、ノルウェーの国の魅力あふれる楽しい一冊になっているなと思いました。

 

 

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 今回ご紹介した絵本は『オーラのたび』

ドーレア夫妻(イングリとエドガー)作 吉田新一

1983.3.31 福音館書店  でした。

 

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