ミミズに親しめる科学絵本
気持ち悪いと嫌われがちなあのミミズが、だんだんかわいく⁉みえてきます。
読み聞かせ目安 高学年 10分
あらすじ
ミミズは、じめじめした土の中に住んでいる。
体はぬるぬるしていて、骨がない。
筋肉におおわれた体節で身体ができていて、体には剛毛が生えているよ。
ミミズには肺がない。皮膚で呼吸している。
心臓は5個もあるよ!
ミミズは、腐りかけの葉っぱや、小さな動物の死骸を食べる。
ミミズのうんちは、栄養たっぷりの土を作る。
ミミズには3万4千種類の仲間がいる。
いちばん長いミミズは、6.7mもあるんだって!
読んでみて・・・
ミミズの生態を、詳しくわかりやすく教えてくれる科学絵本です。
ミミズというと、くねくねじめじめ、にょろにょろした気持ち悪い生き物。
できることなら触りたくない、虫のなかでも嫌われ者のイメージがありますが、この絵本では、とってもかわいい⁉主人公。
マイナスイメージを感じず、親しみをもってミミズをみつめられるように描かれています。
明るい色遣いで、様式化されたかわいいイラスト。友達に語りかけるような口調のテクストで、ミミズなんて生理的に受け付けないわ!という人にでも、親しみやすくなっています。
かわいらしいイラストといっても、無暗にかわいいかわいいではありません。
写実的ではないけれど、単純化されているけれど、科学的には忠実にミミズの生態を描いています。
ミミズには骨がなく、ぬるぬるした体表と剛毛で動けること。
肺がなく皮膚で呼吸していること。
心臓が5つもあること。
目がなく、光を嫌うこと。
歯がなく、口にある強い筋肉で食べること。
科学的事実を、簡潔明瞭に教えてくれます。
ミミズの説明は、本の終わりの方ではさらに詳しくなり、「しってびっくり、ミミズのすごいひみつ」と題して、ミミズの種類が3万4千種類もあることや、ミミズがもし人間と同じ大きさなら、千倍もの力が出せること、1日に自分の体重ほどの餌を食べることなどなど、大人でもへえ~と感心してしまうようなことまで記されていきます。
絵本だけれど、巻末には語釈や索引まで付いていて、しっかりとした科学の本です。
そしておもしろいのは、「ミミズをかってみよう」というコーナー。
大きなガラス瓶を用意して、砂と湿った土を重ねを入れ、ミミズを数匹入れたら、落ち葉や野菜の皮などを入れ2~3週間・・・。
するとどうなるか・・・。
葉っぱや野菜の皮が消えてなくなり、土に変わる。
ミミズが腐った葉っぱを食べ、土に道を作り柔らかくし、糞をすることで栄養いっぱいの土を作る過程が、手に取るようにわかる仕組み。
ミミズを飼うなんて気持悪~💦と、一瞬思ってしまいますが、小さなミミズの生態から、地球全体に通じるサイクルを感じ取ることができる、すばらしい観察のすゝめです。
肥沃な土を作ってくれるミミズ。
気持ち悪いと嫌われがちなミミズですが、とっても尊い存在。
まずはこのようなかわいらしい絵本から、嫌悪感を取り除いて親しみ、観察してみるのもいいのではないかなと思いました。
夏休みの自由研究に、「ミミズの観察」もいいですね。
気持ち悪っ💦と思わすにw。
今回ご紹介した絵本は『ミミズ』
スージー・ウィリアムズ作 ハンナ・トルソン絵 渡邊真里訳
2021.1.15 化学同人 でした。
ちっちゃな生きものたち ミミズ | ||||
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