鮮やかな写真絵本
いろいろなイモムシのいろいろな暮らしを写真に収めた科学絵本です。
読み聞かせ目安 低学年 3分
あらすじ
イモムシは、蝶や蛾の幼虫。
いろんなイモムシがいるよ。
頭と背中とお尻に、ツノが生えているイモムシ。
お尻にも顔がある?イモムシ。
とげとげのイモムシ。
毛の長ーいイモムシ。
しっぽの長ーいイモムシ。
鳥に襲われないように、葉っぱに化けたり、鳥のフン!に化けたり。
イモムシは、大きくなるために、葉っぱをいっぱい食べる。
いっぱいウンチもする。
でも、いろんな生き物に食べられてしまうことも。
それでも、食べられずに大きくなったイモムシは、皮を脱いで、また大きくなっていく。
イモムシ |
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読んでみて・・・
その名のとおり、「イモムシ」の生態を収めた、科学絵本です。
なんだか最近ちょっと、科学絵本づいていますが、今回は写真絵本。
このブログで、写真絵本をご紹介するのは、初めてです。
イモムシ・・・。うねうねと動くその体・・・。
見つけたら思わず「キャッ」と言ってしまう、ちょっとキモイイキモノ。
この絵本を見るまでは、そんな風に思っていました。
でも、イモムシってよく見ると、いろいろな種類があって、いろいろな色、形、模様、棘やツノなどなど、それぞれ個性的で、そして実は美しいんですね!
自然の造形の美に、感嘆してしまいます。
この絵本では、そんなイモムシの生態が、きれいな写真をとおして、子どもたちにわかりやすいように、楽しんで理解を進めていけるように、工夫して描かれています。
テントウムシの顔のような模様が、お尻にあるイモムシ。
一見、イモムシとはわからないような、鳥のフンに擬態したイモムシの数々。
「へぇ~。これイモムシだったんだ!」
今まで知らずに、きっと見過ごしてきたイモムシが、いっぱいいたんだろうなと、気づかされます。
怒ると角を出すイモムシ。
角から臭いニオイまで出すイモムシ・・・etc。
イモムシが、卵から孵化したところを、20時間以上も撮影した写真を、時系列で並べてあるページもあります。
孵化したイモムシは、自分の卵の殻も食べること。
自分のウンチを積み上げて、その先に捕まって枝に化けたりすること。
「へぇ~」っと、子どもたちもきっと、驚きの連続だと思います。
外敵に食べられないように、さまざまに擬態するけれど、どうしても食べられてしまうものもいる、ちょっと悲しい生き物のさだめも知ったり。
小さいけれど、生きようとする、命を遂げようとする、パワーにあふれたイモムシたち。
気を付けて見ていると、春から初夏にかけて、緑がいちばん美しくなるこれからの季節。あちこちでイモムシに、出会えるかもしれませんね。
大人より視線が低い子どもたちは、より出会いも多いかもしれません。
でも、イモムシ観察には、注意しなければならないことも。
エビガラスズメやセスジスズメという蛾の幼虫が、畑のさつま芋や里芋の葉っぱを食べるため、「イモムシ」と呼ばれるようになったという、蛾や蝶の幼虫たちですが、毛が生えた「ケムシ」も「イモムシ」の仲間。
イモムシ観察は楽しそうですが、「チャドクガ(茶毒蛾)」など、中には毒のあるケムシもいて、これからの季節よく出てくるので、注意も必要です。
ウチの息子も、小学生のとき、チャドクガにやられて大変でした。
とってもかゆかったそうです。
この絵本を読んだあと(くれぐれもケムシには注意しながら)、イモムシ観察してみると、今まで知らなかった観察ポイントが押さえられ、より楽しく、新しい発見もできたりして、充実した気づきが得られるかもしれませんね。
今回ご紹介した絵本は『イモムシ』
新開孝写真・文 2013.6 ポプラ社 でした。
イモムシ |
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