絵本とむかしばなし

小学校で絵本の読み聞かせや昔話のストーリーテリングをしています。楽しいお話、心温まるお話をいろいろご紹介していこうと思います。

『ぞうのババール』

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めでたく王様になったゾウのお話

 奇想天外で楽しいお話。大人も子どもも大好きな絵本です。

  

ぞうのババール(1)

 


ジャン・ド・ブリュノフ/矢川澄子 評論社 1982年11月
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  読み聞かせ目安  中学年 10分

 

あらすじ

 

大きな森の国で、ぞうの子どもが生まれました。名前はババール

ババールは、お母さんからとても可愛がられて、すくすく育っていきました。

 

そんなある日、森に狩人がやってきて、鉄砲でズドン!

 

お母さんが撃たれてしまいました・・・。

猿は隠れ、鳥は逃げ、そして・・・ババールは、わっと泣きました。

 

狩人がババールを捕まえようとしたので、ババールは逃げました。

 

どんどん逃げて町の中へ・・・。

 

ババールはびっくりしました!

 

なぜって、町には見たこともないものがたくさん!!

めずらしいものばかりです。

 

立派な自動車やバスに大通り。特にババールの気に入ったのは、人間の着ている服!

 

「にんげんって ふくをきて すてきだなあ ぼくもひとつ あんなのを きてみたいもんだ. だけど どうしたら かえるかな???」

 

と考えていると・・・、ひとりのお金持ちのおばあさんがやってきて、ババールに財布をくれました。

 

ババールはデパートへいき、立派な緑の背広を買いました。

 

それからババールは、財布をくれたおばあさんと一緒に暮らすことに。

 

毎日、おばあさんと一緒に、食事をしたり、体操したり。

おばあさんは、ババールの欲しいものは何でも買ってくれました。

ババール専属の家庭教師も付けてくれました。

 

ババールは、おばあさんの家で何不自由なく暮らしていましたが、・・・時々森を、お母さんを思い出し、寂しくて涙を流すこともありました。

 

2年たったある日、ババールがおばあさんと散歩していると、子ゾウが2匹走ってきました。ババールのいとこの、アルチュールとセレストです!

 

ババールは、アルチュールとセレストにきれいな服を買ってやり、喫茶店でおいしいケーキをごちそうしました。

 

その時、森ではアルチュールとセレスト探しで大騒ぎ!

 

はげこうじいさんから、町で見かけたとの知らせを受けると、2匹のお母さんは町へ2匹を連れ戻しにいきました。

 

2匹が連れ戻されるとき、ババールも一緒に森に帰ることを決意します。

 

おばあさんに悲しい別れをつげ、森に帰ると・・・

森ではぞうの王様が、毒きのこを食べて死んでしまっていました!!

 

年寄りぞうたちは相談し、都会から帰ってきて物知りになったババールを、新しい王様にすることに!

 

ババールはぞうの王様になり、一緒に帰ってきたセレストをお妃にして、森中の動物たちを集め、盛大な戴冠式&結婚式が執り行われました。

 

新しい王様とお妃様は、黄色い立派な気球に乗って、新婚旅行へと出かけていきました。

 

 

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読んでみて…

 

奇想天外な物語展開!

 

お話のはじめは、「こどものころのおはなし」とあって、その通り、ババールが森で生まれ、すくすく育つ様子が描かれますが、お母さんを亡くし森を追われ町に逃げたあとは・・・いつのまにか立派なスーツを着込んだ紳士に!!

 

幸運にもお金持ちのおばあさんと出会い、都会で人間と同等の立派な暮らしをおくります。おばあさんの出で立ち、住まい、お客様の様子からして、結構な上流階級のようです。

 

何不自由なく紳士的な暮らしをおくっているさなか、突然、いとこのぞうたちが現れ、森に帰ることに!

 

帰れば、王様が死んでいて、ババールが新しい王様に!!

お妃をめとって、めでたく戴冠式&結婚式&新婚旅行!

 

まったく自由奔放なファンタジーです。

 

それもそのはず、何でもこの絵本は、母親が子どもにせがまれてしたお話に、父親であるジャン・ド・ブリュノフが絵を付けて作ったものなのだそうです。

 

子どもとともに、子どもの喜びそうなものを全部詰め込みながら、お話を次々に展開して作っていった感じがよく伝わってきます。

 

絵にも、子ども心をくすぐる要素がいっぱい!

 

明るい色調、繊細な筆致で描かれた絵は、可愛らしく、どのページも優しくほんわかしていて、何の構えもなく子どもたちをファンタジーの世界へ引き込みます。

 

細部まで丁寧に描き込まれていて、子どもたちはお話を聞きながら、何が何で、何が何と、夢中になって絵をのぞき込みます。

 

森にたくさんいるぞう。どれがババールでどれがお母さん?

 

町のデパートでは、はじめてのエレベーターで何度もの行ったり来たりを、ババールと一緒に楽しみます。

 

おばあさんの屋敷での暮らし、しゃれた都会の街の様子も、細かく描かれていて、好奇心をくすぐります。

 

森に帰れば、またまた、たくさんのぞうたち。

年寄りぞうのシワシワな姿も愉快です。

 

丁寧に細部まで描き込まれた絵が、奇想天外なお話を支え、絵でもお話を十分に語っているため、ありえないお話でもすんなり受け入れられるようになっているんだなと思います。

 

この絵本は、フランスの絵本らしい洒落た構図と色遣い、なごみ系の絵の可愛らしさから、大人の女性からも人気があるようです。

 

読んで深く感じ入る読み応えのある本ももちろんいいですが、時にはこんな奇想天外で愉快なファンタジーの世界で、大人も子どもも心を解放して、屈託なく遊ぶのもいいなと思いました。

 

この絵本は、この『ぞうのババール』以降シリーズ化し、ジャン・ド・ブリュノフが6作を描き、その後の作は息子のロランが描いています。

 

ぞうのババール』の次の巻は『ババールのしんこんりょこう』。

そうです!この巻の終わり、ババールとお妃セレストが、気球に乗って新婚旅行に出かけた続きになっています。興味のある方は、こちらもどうぞ!

 

ババールのしんこんりょこう

ジャン・ド・ブリュノフ/矢川澄子 評論社 1979年11月
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