本番の読み聞かせ
本を読む準備が整ったら、いざ、本番です!
子どもたちと本といっしょに、楽しい時間を過ごしましょう!!
今回は、当日注意することを、何点かあげておきたいと思います。
出かける前に
身だしなみに気をつけましょう
主役は本です。服装が華美にならないように気をつけましょう。特に上半身は、絵のじゃまになるので、柄物は着ないほうがいいです。
ネイルやアクセサリーも控えめに(ないほうがいいかも)。本を持っている手や、ページをめくる指を、意外と子どもは見ています(特に女の子!)。
本に集中してもらうために、自分のおしゃれは控えめにしましょう。
時間に余裕をもって出かけましょう
朝は、どこのご家庭もあわただしいことと思いますが(ウチもです・・)、あわてて出かけて、「本を忘れた!!」「汗だく!!」「息があがった!!」なんてことになったら、せっかくの読み聞かせがだいなしです。時間に余裕をもってでかけましょう。
教室に入ったら
笑顔であいさつしてはじめましょう
特に年度はじめは、緊張感があるもの。子どもたちも、毎日接して慣れている先生とは違った大人が入ってくるのには、ちょっと緊張するものです。笑顔で明るくなごやかな雰囲気ではじめたいものです。
読む位置を決めましょう
子どもたちのいる位置、形体(机を後ろにさげて床座りor通常の着席か)によって、座って読むか、立って読むか。子どもたちがよく見えるところに、立ち位置、座り位置を決めましょう。立つか座るかは、子どもの目線に合わせて。
あまりに子どもたちがばらけているようだったら、真ん中に寄るように、軽く声掛けしましょう。
採光に注意しましょう
窓からの日光や、照明の光で、絵本の画面が光って見えなくなることがあります。そのときの採光にあわせて、本の角度(持ち方・開き方)に気を付けましょう。
読みはじめたら
しっかり絵が見える工夫を
画面が揺れないようしっかり持ちましょう。
広い部屋で多くの人数で見るときは、みんながよく見える場所にいるわけではありません。左右の端にいる子どもにも、絵がしっかり見えるように、ページをめくる前に、すこし画面を左右に傾け、絵を見せてめくったり、すこし絵を見る間を作ったりしましょう。
声が届くように読みましょう
教室は広いので、後ろにいる子どもにもよく聞こえるように、よくとおる声で読みましょう。
大声でなくてもいいのです。後ろまで届ける気持ちで。
私も地声が細く、ついでに喘息もあるので、大きな声を出すのは苦手なのですが、大声とよくとおる声はちょっと違います。読んでいると、ついつい体が前のめりになりがちですが、姿勢を正して遠くまで声を届けるように読むと、よくとおる声がでます。(でも、隣や上の階の教室が、早く読み終わって机を動かしはじめたり、リコーダーを吹き始めたり!したときは、頑張って声を張らなければなりませんけどね・・。)
急がないように注意しましょう
人前で本を読んでいると、読みなれていている人でも、ついつい早口になりがちです。
お話にあったテンポで、かつ、子どもたちがお話を理解できる速さ、絵を楽しむ余裕がある速さで読みましょう。
また、途中でつかえたり、間違えたりしても大丈夫。そのまま続けましょう。お話に集中していると、子どもたちはあまり気にしません。
アイコンタクトはほどほどに
コミュニケーションとして、読みながらアイコンタクトをする読み手もいますが、ほどほどに。ばっちり見すぎると、読み手の顔ばかりが印象に残ってしまいます。主役は本。読み手は黒子です。
でも、子どもによっては、視線を合わせて共感を求める子もいるので、子どもからの視線は受け止めてあげてくださいね。
読みはじめと読み終わり
最初に表紙をしっかり見せ、題名、作者・訳者名などを伝えましょう。
見返しにも絵が描いてある本があります。絵本の世界観を伝えるものだったり、内容を予見するものだったり、本によってさまざまな工夫が凝らされています。文がなくても、しっかり見せてあげましょう。絵がなくても、色で表現された雰囲気もあるので、きちんと開いてめくりましょう。
読み終わったら、しっかり落としてあげること。「めでたし、めでたし」「とっぴんからりのぷう」「いちがさかえもうした」「どんとはらい」など、昔話に多いですが、結びの文句があれば、省略せずにそこまできちんと読んで、お話をしっかり落としてあげましょう。
裏表紙見返しも、表同様しっかり見せて、余白の白い紙もめくって、お話が終わったことを知らせ、読後の達成感や余韻を味あわせてあげましょう。
そして最後に、裏表紙もしっかり見せること。
表紙は裏表で、ひとつづきの絵になっている本もよくあります。そんな本は、ぜひ裏表の表紙を開いて全体像を見せてあげましょう。
読み聞かせは、実際に子どもたちに本を手に取ってもらうのも、目的のひとつなので、表紙をしっかり印象付けるためにも、よく見せてあげてください。
読み終わったら
感想について
読み聞かせ界(?)では、基本的に感想は求めないのが主流のようです。
子どもたちひとりひとりが、自分の心のなかで感じたことを大事に暖め、余韻を楽しめるように、強いて感想は求めません。
「感想をいわされる」と思って構えて聞くと、楽しめない、読書がますます嫌になるというのを、避けるためでもあります。
ですが、最近では教育現場でアクティブラーニングがもてはやされ、どこでも積極的に意見をいうことが求められてきています。先生によっては、感想をいうように指導されていることもあるようです。その場合は、学級を運営されている先生に従いましょう。
子どもが、進んで感想をいいたいときは、もちろん受け入れて!
読んだ本の記録をする
読んだ本を記録しておくと、その後の読み聞かせの参考になります。他のひととの重複も避けられます。
学期ごと、年度ごとなどで「読んだ本リスト」を作り、その後の活動に役立てましょう。
・・・以上、全7回にわたって「読み聞かせのすゝめ」をお送りしました。
読み聞かせをはじめて9年目なりましたが、私もまだまだ足りないところがいっぱいです。先輩や仲間、子どもたちから、たくさん学びながら、これからもいろんな本を読んでいきたいと思っています。
このブログを見てくださった方々のなかから、読み聞かせをはじめられる方がでてきたり、すこしでもこのブログが、今読み聞かせをやっている方々の参考になれば嬉しいです。
子どもたちに、楽しい本を伝えてくれるお仲間が、たくさん増えますように♡
そして、はやく新型コロナウイルスの感染拡大がおさまって、学校や図書館などでの読み聞かせが、再開しますように・・・。心から願っています。
ランキングに参加しています。ポチっとしていただけると嬉しいです。
いつもありがとうございます。