ステキなカウボーイのスモールさん
「スモールさん」シリーズのスモールさんがカウボーイになって登場です。
読み聞かせ目安 低学年 4分
あらすじ
スモールさんは、スモール牧場のカウボーイです。
スモールさんの馬の名前はカクタス。
スモールさんは、カクタスをとてもかわいがっています。
毎朝丁寧にブラッシング。
餌をあげ、水を飲ませ、鞍をつけてカクタスに乗り、放牧場を走ります。
日が暮れるとキャンプです。
ご飯を食べたら、まきぶとんを広げ、星空の下で眠ります。
次の朝。
他のカウボーイたちと一緒に、馬に跨り牛の群れをかり集めます。
仕事が終わり、ご飯を食べたら、ギターを弾いて歌います。
次の日。
跳ねまわる野性の馬に乗ったスモールさん。
どすん!
と見事地面に落ちてしまいました。
といっても、立派なカウボーイのスモールさん。
カクタスに乗って、また走ります。
読んでみて・・・
「スモールさん」シリーズのスモールさんが、今度はカウボーイになって登場です。
カウボーイになっても、やっぱりスモールさんは丁寧です。
愛馬カクタスのお世話を、丁寧に丁寧に、愛情込めて行います。
金櫛でブラッシング。カラス麦と干し草の餌をやり、鞍を乗せ、腹帯をきつく締め、カクタスに跨り走っていきます。
カウボーイのお仕事という、見慣れない仕事を、ひとつひとつ丁寧にわかりやすく見せてくれます。
絵本の表紙見開きには、カウボーイの様々な道具の図解があり、とても興味をそそります。絵本を読み進めていくと、その道具たちが、どのように使われていくかが手に取るようにわかって、子どもたちの好奇心を満たしていきます。
作業を進めていくスモールさんの、晴れやかで自信に満ちた顔も魅力的です。
きりりとした横顔なんて、とってもイケメン!
とっても素敵なカウボーイさんです。
星空の下でのキャンプ。
野外で煮炊きするご飯も美味しそう。
星空の下、焚火の前でギターを弾き語るスモールさんも、何だかロマンティックで素敵です。
そんなスモールさんでも、野性の馬には手こずり、惜しくも落馬!
それでも立派なカウボーイのスモールさん、愛馬カクタスに跨り、また走っていきます。
この絵本も何のことはない、カウボーイの暮らしを淡々と描いているだけなのですが、
伸びやかで穏やかで暖かくて、シンプルだけれどもとても満足のいく1冊です。
仕事ひとつひとつに精通した、スモールさんの自信を内に秘めた晴れやかな表情。
アクシデントがあっても動じない頼もしさ。
仕事人としての、子どもたちのスモールさんへの信頼感、お仕事への憧れを、また十分に満たし、その満足感を逃すことなく、パタンと閉じるさっぱりした終わり方も、心憎いなと思います。
単純化された絵と、ごく簡単なテクストで、複雑な仕事の何もかもが、きちんと収まり、ごくすっきりと終わるこの心地よさには、やっぱり並々ならぬ手腕を感じます。
「スモールさん」シリーズの絵本は、本当に上質な絵本たちだなと、さらに改めて思わせる満足の1冊です。
今回ご紹介した絵本は『カウボーイのスモールさん』
ロイス・レンスキー文・絵 渡辺茂男訳
1971.10.1 福音館書店 でした。
カウボーイのスモールさん |
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